折り返す電車

ちょっと恥ずかしいことがありました...

残業を終えた私はいつものように会社の最寄り駅で帰りの電車を待っていました.やがて,自宅とは反対方向へ行く電車が来ました.その時ふと,あるアイデアを思い出しました.

この駅から終点(自宅とは反対方向)まで続く路線は1本しかないため,電車は終点に着いたら必ず折り返します.さらにこの駅は終点の一つ手前なので,仮にこのタイミングで電車に乗っても終点で折り返して無事帰路を辿ることができるというわけです.

このアイデアは以前,一緒に電車を待っていた友人が発したもので,その人は「寒い日はそうやって電車の中にいたらいいね」と言っていました.私はなるほどと思いましたが,実際にわざわざ遂行することはこれまでありませんでした.

しかし今日は何を思ったのか,そのアイデアを実行したのです.このような行為は特にルール違反ではないと思っていました.よくやってる人もいそうだなとさえ思っていました.

しかし,終点に着いたとき車掌さんに注意されてしまいました.「終点ですよ.」「乗車券見せてもらえますか?」「定期券の区間外なので本来はここまでの運賃が必要ですが,今回は間違えたということみたいなので大丈夫です.気をつけてください」という感じであっさりとしていました.私は謝罪の言葉も出ず無言でうなずきました.

せこい真似をして目論見は外れ,情けなさと恥ずかしい気持ちで乗車中は大人しくじっとしていました.